特定非営利活動法人 婦人科悪性腫瘍研究機構

HOME > 理事長ご挨拶

理事長ご挨拶


JGOG理事長 榎本 隆之
(新潟大学大学院医歯学総合研究科 産科婦人科学 教授)

 特定非営利活動法人(NPO)婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG: Japanese Gynecologic Oncology Group)は婦人科悪性腫瘍患者に対する最適・最新の診断・治療を確立することを目指して、全国の主要大学やがんセンター等が連携した臨床研究グループです。

  特定非営利活動法人(NPO)婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG: Japanese Gynecologic Oncology Group)は婦人科悪性腫瘍患者に対する最適・最新の診断・治療を確立することを目指して、全国の主要大学やがんセンター等が連携した臨床研究グループです。JGOGの歴史は古く、野田起一郎先生が1981年に子宮頸癌化学療法研究会を開設されたのをもとに、翌年の1982年には婦人科化学療法研究会として発展し、2002年に特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍研究機構としてNPO法人の認証を取得し現在に至っております。その間、野田起一郎先生が2008年まで28年間理事長を務められ、その後落合和徳先生が2009年から2014年の6年間、杉山徹先生が2015年から2018年の4年間、それぞれ理事長を務められております。2018年現在、登録参加施設181、施設正会員数1023名の非常に大きな臨床研究グループになっており、その間Lancet Oncology, Journal of Clinical Oncologyをはじめとした一流医学雑誌に質の高い臨床研究論文を数多く発表してまいりました。

 今、JGOGは大きな変革期にあります。婦人科悪性腫瘍においても、癌化に関与するゲノム・エピゲノム異常、腫瘍微小環境、細胞間のクロストーク、免疫監視機構の関与などの分子メカニズムの解明が進み、分子標的薬の開発競争が盛んになっています。さらに欧米では、血管新生阻害薬、PARP阻害薬、免疫チェックポイント阻害薬などの作用機序が異なる分子標的薬を組み合わせて使用する臨床試験が数多く行われております。また免疫チェックポイント阻害薬の一つがMSI-Highの固形癌に対して適応拡大されたように、これまでの臓器別に行う臨床試験からバスケット試験(分子マーカーの検索によって対象症例を選択して臓器横断的に行う臨床試験)へと、臨床試験の方法が大幅に変わってきており、JGOGも現在のニーズに適合した体制に再編する必要があります。また、企業寄付が年々減少している上に今後益々臨床研究に必要な経費が増加するため、受託臨床研究・医師主導試験、さらには日本医療研究開発機構(AMED)などの競争的資金を恒常的に獲得できる体制を作る必要があります。そのためにトランスレーショナルリサーチ(TR)委員会を独立した委員会として立ち上げ、分子標的薬を用いた臨床試験の発案・遂行にあたるとともに、外部資金申請・獲得のルールを決め、これからもJGOGが世界レベルの臨床研究ができる体制を作りたいと思います。

 杉山徹前理事長がGynecologic Cancer Inter-Group (GCIG)・Korean Gynecologic Oncology Group (KGOG)だけでなく、その他のアジア諸国との連携を打ち出されましたが、今後のJGOGの発展には国際交流の更なる強化も重要な課題と考えます。GCIGの臨床研究にも積極的に参加できる体制をつくるだけでなくKGOG、Shanghai Gynecologic Oncology Group (SGOG)、Taiwanese Gynecologic Oncology Group(TGOG)との連携をさらに深め、婦人科腫瘍に関する臨床研究において、アジアの盟主としての地位を確立したいと思います。

 杉山徹前理事長がJGOGの3本の矢として、「臨床研究」「教育」「すべての目線の共有」をあげておられました。私はこの3つの柱を今後も継承・発展させていきたいと思います。臨床研究は、上記に述べましたようにこれから益々開発が進む分子標的薬を用いた研究を発案・遂行するだけでなく、大学・研究機関と共同でトランスレーショナルリサーチができる体制を構築したいと思います。教育では、夏に開催している若手医師向けの教育セミナーにTRについての講習を加え、継続・発展させたいと考えます。JGOG はこれまで大学・がんセンターだけでなく多くの病院が登録参加施設となって臨床研究を行ってまいりました。婦人科悪性腫瘍に対する最適・最新の診断・治療を確立するために、婦人科悪性腫瘍治療に携わるすべての医療関係者が積極的にJGOGを支援していただくことがJGOGの今後の発展のために重要と考えます。これからも皆様からのご指導・ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。

平成31年1月吉日